Result
採択者発表
未来のものづくりベンチャー発掘コンテスト 最優秀賞及び採択者発表
2023年3月26日(日)、日本科学未来館にて「Tokyo ものづくり Movementー未来のものづくりベンチャー発掘コンテストー」が開催されました。
本コンテストにエントリーした52者の中から事前審査を勝ち抜いた10者が、自身の開発製品を手にしながら、ビジネスプランを発表。
審査の結果、最優秀賞に選ばれた奥出えりかさん(yolni(ヨルニ))をはじめとする8者の採択者が決定しました。
今後、採択者の皆様の優れたビジネスプランの製品化・事業化に向けたハンズオン支援・開発資金支援を実施していきます。
最優秀賞は奥出えりかさんが受賞
最優秀賞は、奥出えりかさんが開発した「yolni(ヨルニ)」が選ばれました。
「yolni(ヨルニ)」は、夜道の不安に寄り添うスマート防犯アクセサリーで、歩行のみまもりや着信音の発信、位置情報の共有などの機能を備えています。また、夜道のデータを収集し、まちづくりに活用することで、夜道の不安を解消する社会を目指しています。
Webサイト:https://yolni.jp/
受賞コメント
yolni(ヨルニ)は構想してから約6年が経っています。当時はIoTや3Dプリンターが普及した頃で、誰でもハードウエアスタートアップになれる時代が来たと思い、スマートな防犯ブザーが作れないかと考えました。しかし、最初は上手くいかないことも多く、チームメンバーと試行錯誤を繰り返す日々でした。
今回Tokyo ものづくり Movementの応募を知り、試作から支援してくれるところに惹かれコンテストに挑戦してみたいと思いました。最優秀賞を受賞でき、チームメンバーに感謝したいです。
角口審査委員長 総評
ファイナリストの皆様、大変お疲れ様でした。
ファイナリストの方々はそれぞれのアイデアを持ち寄り、数多くの方にアプローチしてなんとか製品化に結び付けようとしていました。努力がひしひしと伝わってくるコンテストで、ファイナリスト全員のピッチが非常に印象に残るものでした。
結果的に審査による点数は付いたものの、あるファイナリストは製品の完成度が高いことでより評価をされ、また、あるファイナリストはダイヤモンドの原石のようで将来磨けば光るのではないか、と将来性を評価されるなど、10名の審査員の中でも白熱した議論がありました。
審査員は色々な知見のある方々であり、自分自身も勉強になった1日でした。本日は皆さまありがとうございました。
審査員一覧
審査員長
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 理事 | 角口 勝彦 氏 |
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審査員
IDATEN Ventures 代表パートナー | 足立 健太 氏 |
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Global Brain 株式会社 General Partner | 木塚 健太 氏 |
株式会社iSGS インベストメントワークス 代表パートナー | 佐藤 真希子 氏 |
西武信用金庫 常務理事 | 長澤 貴淑 氏 |
きらぼし銀行 創業支援室室長 | 星 義明 氏 |
株式会社MMインキュベーションパートナーズ 代表取締役 | 宮地 恵美 氏 |
HERO Impact Capital Founder & General Partner | 渡邊 拓 氏 |
東京都産業労働局商工部創業支援課 技術連携担当課長 | 渡邊 禎之 氏 |
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター企画部 プロジェクト企画室室長 | 渡部 友太郎 氏 |
審査員、参加者を交えてのネットワーキングタイム
コンテスト終了後はネットワーキングタイムが設けられました。ファイナリストや審査員、会場にお越しの皆様が入り混じり、人脈作りや情報交換の場となりました。あいにくの雨模様でしたが多くの方にご参加いただき、最後まで会場は活気に溢れていました。
最優秀賞・採択者の発表
Award
最優秀賞
奥出 えりか
製品名「yolni(ヨルニ)」
夜道の不安に寄り添うスマート防犯アクセサリー。
Adopter
採択者
※五十音順
VITRO
(ヴィトロ)高橋 良爾
製品名「DEW(デュー)」
〜置くだけで、日本庭園〜線香花火のような照明。
ALTERPLANTZ
(オルタープランツ)竹田 徹
製品名「alternative plant pot(オルタナティヴ プラント ポット)」
デザイン性と機能性を両立させ、自由にカスタマイズを楽しめる園芸用品。
コネクト
本山 敏文
製品名「塩分濃度測定機器 エンシル」
手軽に塩分濃度を測定でき、何グラム食塩を摂取したかという情報を持ち歩ける。
株式会社
sion works
(シオンワークス) 代表取締役井島 志乃
製品名「四次元かばん®に搭載するノートPCスタンド「LTスライダー」」
PCを取り出さずに操作できるバッグと、それを可能にするスライド機能付きPCスタンド。
株式会社
ブライトヴォックス
代表取締役CEO灰谷 公良
製品名「brightvox 3D(ブライトヴォックス スリーディー)」
3Dコンテンツを肉眼で全方位から視認できる立体ディスプレイ。
株式会社
MizLinx
(ミズリンクス) 代表取締役野城 菜帆
製品名「MizLinx Monitor(ミズリンクス モニター)」
水温等の海洋環境情報と水中カメラによる映像・画像が取得できる海洋IoTシステム。
株式会社
Ubitone
(ユビトン) 代表取締役山蔦 栄太郎
製品名「Ubitoneグラブ2(ユビトングラブ2)」
盲ろう者のための新しい手指携行型コミュニケーション・生活支援デバイス。
奥出 えりか
製品名「yolni(ヨルニ)」
夜道の不安に寄り添うスマート防犯アクセサリー。
製品詳細
yolni(ヨルニ)は大人の夜道の安心のためのスマートアクセサリーです。道が暗いなどの不安を感じた時にデバイスを握るとスマートフォンから着信音が鳴り、もしもの時はピンを引き抜くと友人や家族に位置情報をLINEで共有できます。また、専用アプリでは歩行の記録を振り返ったり、行動データに基づいた防犯アドバイスを受けることができます。性犯罪等のリスクが高いにもかかわらずソリューションが不足している大人世代を対象としています。
コンテストの感想
選考前から試作とマーケティング支援を受けることができ、さらにファイナリスト選出後は3回のピッチ指導をしていただいたおかげで、当日はこれまでで一番説得力のある伝え方ができたと思います。「作る」と「売る」、両方を重視したコンテストの趣旨にとても共感していたので、今回の受賞を大変光栄に思います。
今後の展開についてのコメント
現在の試作をもとに製造工場とのやりとりを進め、いよいよ初めての量産に挑戦します。まずはクラウドファンディングに実施し、その後はオンラインショップ等で販売予定です。より多くの方に楽しくサービスを使っていただけるよう、細部の体験までこだわりたいと考えています。
VITRO
(ヴィトロ)高橋 良爾
製品名「DEW(デュー)」
〜置くだけで、日本庭園〜線香花火のような照明。
製品詳細
「DEW(デュー)」は線香花火のような照明です。盆に溜めたアロマウォーターがマイクロポンプによって循環します。一定のリズムでポツリポツリとアロマ落ちていく、光と香りで癒すプロダクトです。
コンテストの感想
最終発表に至るまで、3度スライドや発表内容を確認していただき、毎回自分の発表レベルが上がっていきました。
一度、きちんとスライドにまとめて、審査委員の方々の前で発表したことで、より今後どうしていけばいいかがわかりやすくなったと思いました。
何よりも資金支援がいただけるので、念願の商品化ができる希望が見えて嬉しいです。
今後の展開についてのコメント
今後は、アメリカとイタリア、中東で売るべく、設計を詰めていきたいと思っております。
日本文化のエッセンスを感じさせるDEWが世界中に広がって行くといいなと思います。
ALTERPLANTZ
(オルタープランツ)竹田 徹
製品名「alternative plant pot(オルタナティヴ プラント ポット)」
デザイン性と機能性を両立させ、自由にカスタマイズを楽しめる園芸用品。
製品詳細
「alternative plant pot(オルタナティヴ プラント ポット)」は主に乾燥地帯に生息する植物に特化した製品となります。素材、カラー、形状はこれら特殊な植物の健全な育成を重視して設計しています。数種類の本体に様々なパーツを追加することで機能や見た目をカスタマイズできます。いくつかのパーツデータは無料配布する予定です。3Dプリンター等で制作していただき商用も含め自由にご利用いただけます。機能性とデザイン性を両立し、カスタマイズで個性を主張できる製品です。
コンテストの感想
アイデアを短期間で実現させる事のできる数少ないプロジェクトです。会場の人々が私の説明に真剣に耳を傾けて下さったので普段以上の熱意で伝えられた気がします。マーケティング支援では、私自身が気付かなかった「もっと先に進みたい」という気持ちを引き出して下さり心から感謝しています。
今後の展開についてのコメント
様々なニーズに応えられるよう製品ラインナップを増やします。特徴であるカスタマイズパーツの一部はコピーレフトに基づき配布し、誰でも利用できるように準備を整えます。モデリングができなくても3Dプリンターで製品を自由に制作・改変・販売ができる為、当ブランドを中心とした自由なマーケットが展開できると思います。
コネクト
本山 敏文
製品名「塩分濃度測定機器 エンシル」
手軽に塩分濃度を測定でき、何グラム食塩を摂取したかという情報を持ち歩ける。
製品詳細
「エンシル」は家庭でも外食時にも、塩分摂取量を簡単に測定し記録できるデバイスです。塩分を摂取しすぎると健康に良くないことは知っているけど、特に気にする必要はないよね』と思っていませんか?自分が1日にどのくらい塩分をとっているかを、知ることからはじめてみませんか?「エンシル」は過去に何を食べたかを、振り返ることもできます。健康で長生きしたいという皆さんの願いをサポートします。
コンテストの感想
今回ものづくりの「試作支援」があったことで、試作段階の方向性や、量産時の問題点など様々なことを相談し、またアドバイスをしていただけたことで、ものづくりの進行をスムーズに行うことができ、迷うことなく進めることができました。
今後の展開についてのコメント
アクセラレーション支援と開発資金のご支援をいただきながら、アプリの機能の拡充、基板のダウンサイジング、製品の金型作成・量産化マーケティング等を順次進めて、早期事業化を目指していきます。
株式会社
sion works
(シオンワークス) 代表取締役井島 志乃
製品名「四次元かばん®に搭載するノートPCスタンド「LTスライダー」」
PCを取り出さずに操作できるバッグと、それを可能にするスライド機能付きPCスタンド。
製品詳細
「四次元かばん®に搭載するノートPCスタンド「LTスライダー」」は、ノートPCをバッグから取り出すことなく操作を可能にする、PCスタンド付きのバックパックです。膝上にのせたバックパックの背面をサッと開けると、PCをのせたスタンドが前方にスライドし、体とPCを適切な距離に保ちます。またスタンドの角度調整機能により、自然な角度でタイピングができるため、膝上での快適な仕事環境が実現します。リモートワークはもちろん、電車の移動中やちょっとした待ち時間を、本製品により更に生産的な時間へと変えることができるでしょう。
コンテストの感想
我々のような創業初期の小規模事業者にとって、技術支援・資金支援は非常にありがたく、ビジネスを加速させるチャンスとなりました。また開発製品の戦略や課題性、それらを伝える方法を考える素晴らしい契機となり、今後の事業展開の視野が広がったように思います。
今後の展開についてのコメント
本開発製品については、都産技研さんのご協力を得ながら、消費者ニーズに添った開発を進め、年内に国内で予約販売開始を目指します。市場への認知を広めながら、EC・店舗・展示会での販売、また海外でのクラウドファンディングなどへ販路を拡大していく予定です。
株式会社
ブライトヴォックス
代表取締役CEO灰谷 公良
製品名「brightvox 3D(ブライトヴォックス スリーディー)」
3Dコンテンツを肉眼で全方位から視認できる立体ディスプレイ。
製品詳細
「brightvox 3D(ブライトヴォックス スリーディー)」は、仮想空間を切り取って3Dのまま実体化するホログラフィックサイネージです。ゲームキャラクターやアバター、バーチャルヒューマン。仮想空間の魅力的なコンテンツがまるでそこに現れたかのような、未来の映像体験をお届けします。イベントや展示会・小売店などのリアルな場で、3Dのボリュメトリックデータを使った広告や接客・コミュニケーションに、幅広くご活用いただくことができます。
コンテストの感想
モノづくりに特化した頼もしいサポート体制があり、非常に特色のあるコンテストと感じました。
大舞台での発表で緊張しましたが、皆様とともに良い汗をかき、貴重な経験をさせていただきました。
今後の展開についてのコメント
仮想空間の3Dコンテンツを現実空間に実体化し、リアルな場に賑わいと笑顔を広げる。
都産技研の皆様のご支援をいただきながら、世界に向けて新しい世界観を構築していきます。
株式会社
MizLinx
(ミズリンクス) 代表取締役野城 菜帆
製品名「MizLinx Monitor(ミズリンクス モニター)」
水温等の海洋環境情報と水中カメラによる映像・画像が取得できる海洋IoTシステム。
製品詳細
「MizLinx Monitor(ミズリンクス モニター)」は水中カメラによる映像・画像と、センサによる水温、溶存酸素等の海洋環境情報を取得し、Webアプリで表示する海洋IoTシステムです。これにより、遠隔でも漁場・養殖場をモニタリングできます。本システムによって給餌効率化や魚病の早期発見などを実現し、漁業者の業務効率の改善と損失回避をサポートします。また、MizLinx Monitorによって取得したデータを活用し、魚体サイズ測定や環境予測などに役立てることを目指しています。
コンテストの感想
製品試作をサポートいただけるコンテストはこのコンテストしかないと思うので、特に起業前~起業初期の企業には非常に有難いコンテストであると感じました。また、自分達の製品の魅力を最大限伝えるためのプレゼン指導をいただけるのもこのコンテストの魅力です。
今後の展開についてのコメント
耐久性を向上させ、厳しい環境条件の養殖場でも使えるようなシステムに仕上げていきます。同時に、コストを引き下げ、広く多くの漁業者の方々に活用いただけるような製品にしていきたいと考えています。また、国内だけではなく海外展開を見据え、製品設計を進めていきます。
株式会社
Ubitone
(ユビトン) 代表取締役山蔦 栄太郎
製品名「Ubitoneグラブ2(ユビトングラブ2)」
盲ろう者のための新しい手指携行型コミュニケーション・生活支援デバイス。
製品詳細
「Ubitone(ユビトン)グラブ」は、視覚と聴覚に障がいを持つ盲ろう者のための新しい携行型コミュニケーションデバイスです。スマートフォンと繋がる手指携行型デバイスで、指点字話法を用いて目の前の人との対話、友人とのチャット、ニュースやインターネット、天気の確認、印刷された文字の読取りなど、音声や文章を指点字に変換することで、皆んなが当たり前に触れる日常と同じ風景の中で日々を過ごすことができる世界を実現します。
コンテストの感想
TokyoものづくりMovementで事業化支援に採択を頂けたことは、アイデアが評価されたという大きな自信となりました。最終ピッチに至るまでの準備期間も試作やマーケティングの支援が得られたことで、事業化に向けて一歩進むことができたことに感謝しています。
今後の展開についてのコメント
製品の開発にあたり、デザインや機能性にこだわり、利用者のニーズに合った製品を作り上げるため、関係者とのコミュニケーションを大切にしていきます。販路開拓やマーケティングにも力を入れ、より多くの人々に製品の価値を伝えることで、ものづくりの力で社会に貢献できる企業を目指します。