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2022.11.29

他企業や公的機関とつながれるエコシステムが魅力

BMI(ブレイン・マシン・インターフェース ※1)を応用したリハビリ機器の開発・製造・販売を手がける株式会社LIFESCAPES(※2)は、2020年に「Tokyo ものづくり Movement」の前身である「東京都ものづくりベンチャー育成事業(Tokyo Startup BEAMプロジェクト)」に採択された5社のうちの1社。
技術開発部 エンジニアの重倉桃子氏に、本事業へ応募したきっかけや採択後のメリットについて聞きました。

株式会社LIFESCAPES

2018年5月に設立された、慶應義塾大学発スタートアップ企業のConnect株式会社が前身。重度運動障害の治療実現をミッションに掲げ、BMIをコアとした革新的な医療機器の開発・製造・販売を手がけている。
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――御社が本事業に応募されたきっかけを教えてください。

「製造業事業者や公的支援機関と連携可能なエコシステム(※3)の構築を目指している点に魅力を感じました。私どものようなベンチャー企業の場合、製品化に必要不可欠な部品調達の段階から取引先探しに難航するケースが多いのですが、本制度を活用すれば、あらかじめ中小企業とのつながりを求めてくださっている企業にアプローチすることができます」

――採択されるための目標はどこに設定しましたか?

「試作機のユーザビリティを評価・改良し、量産に耐え得るような製品に近いレベルまで近づけることを目標としました」

――本事業を利用するにあたり、とくによかった点は?

「他の助成金事業と比べ、書類関連業務が大幅に簡略化されている点です。助成金事業を活用する場合、応募書類の作成からクロージングまでに膨大な作業を必要とするケースが多いですが、本制度では事務作業の手間をなるべく省けるようあらかじめ配慮されており、日々さまざまな業務に忙殺されがちな私どもベンチャー企業にとっては非常にありがたかったです。また、申請時からの変更にも柔軟に対応いただけた点や、チャット機能などを駆使してメンターに気軽に相談できた点もよかったです」

――本事業への採択が、御社のビジネスにもたらした影響は?

「試作サイクルのスピードが劇的に向上したことです。都産技研の3Dプリンターを使って、試作・検証・改良・試作といったルーティンを期間内で何度でも繰り返すことができるため、試作機の精度が大きくアップしました。また、担当メンターに卸業者のリサーチや商談へ同行していただいた結果、スムースな部品調達につながったこともスピードアップに貢献しました」

――本事業の応募者へ伝えたいメッセージは?

「開発資金をいただける点がいちばん大きなメリットですが、自社だけではなかなか探せない他企業と出会うチャンスに恵まれる点も素晴らしいと思うので、ぜひ活用していただきたいです。また、ベンチャー企業の中にいると、意外と小さなハードルでつまずくことも多々あると思いますが、他社も同様の問題に悩んでいるケースが多い。自社内で溜め込まず、他社の前例に倣って乗り越える方法を模索しながら頑張ってほしいですね」

※1: 脳活動の検出や脳への電気刺激など、脳科学とAIを融合させた技術の総称
※2: 2020年当時、企業名:Connect株式会社・プロジェクト名:臨床現場で使いやすいBMIリバビリシステムの量産化として採択
※3: 「Tokyo Startup BEAMプロジェクト」では、都内製造業事業者・ベンチャーキャピタル・公益支援機関などが連携することで、ものづくりを志すベンチャー企業が、短期間でアイデアを形にして成長できるようなものづくりの好循環をエコシステムと呼んでその構築を目的としており、「Tokyo ものづくり Movement」でもその意思を継承

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エントリー締切は、12/16必着です。ご応募お待ちしています!

https://monomove.tokyo/wp202311/entry/