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2022.11.28

熱意があれば大丈夫! 東京都がものづくりを全力でサポートする理由


アイデアはあれど、実際に製品化や事業化へと漕ぎつけるまでの試作プロセスがうまくいかずに悩むベンチャー・中小企業を多く支援してきた、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(以下、都産技研)。
企画部プロジェクト企画室 渡部友太郎氏に、「Tokyo ものづくり Movement」事業で、ものづくりを志す企業や個人を広く募る背景を聞きました。

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

東京都が設置する公設試験研究機関として、中小企業のものづくりに関し、依頼試験・研究開発・技術相談・人材育成など、さまざまな側面から技術支援を行い、製品化や事業化をサポート。数多くの企業とともに新製品や特許を生み出してきた実績があり、産業振興を図りながら都民生活の向上を目指している。
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――都産技研が本事業を実施する理由を教えてください。

「ものづくりを志すベンチャー企業や個人事業主が短期間で成長することを後押しし、製造業全体を活性化させるためです。ものづくりビジネスは、サービス業と異なり、まず製品がなければ事業を始められません。しかし、アイデアがいかに素晴らしくても、製品化・事業化するためのノウハウ不足や資金調達に大変苦労されるケースが多い。とくに大きな障壁となるのが試作で、金型づくりや部品集めといったプロセスは“魔の川”ともよばれるほどです。しかし、3Dプリンターの登場で、3D CAD図面さえご用意いただければ、製品化に向けての形や機能の検証を繰り返し簡単に行えるようになりました。本事業は、そうした製品が市場にどうアピールしていけるのかをともに検討し、その中でも優秀な方々に、ベンチャーキャピタルによるハンズオンや、試作支援を含めた資金提供を可能にします」

――応募対象者を、原則創業3年以内の企業や個人事業主としている理由は?

「これまで多くの事業者に対して技術支援を行ってきましたが、自社が目指す製品が事業として成り立つかどうかに確証が持てず、最もつまずきがちだと思われる時期が創業3年以内だからです。アイデアベースで売れる自信があっても、形にしてみないことには何も始まらないのがものづくり。本事業にご応募いただければ、無償で試作支援をさせていただくほか、メンターがユーザー視点で事業化に向けての助言もさせていただきますので、製品化・事業化への圧倒的な近道になると思います」

――本事業に応募することで活用できる3Dプリンターの利点について教えてください。

「試作と検証のサイクルが格段に早くなります。事業主ごとに3Dプリンターを導入しようとすると莫大なコストがかかりますし、目指す製品が大きくなればなるほど価格が上がり、中小企業にとっては経済的に大きな負担となるはず。都産技研の3Dプリンターは比較的大きな造形サイズにも対応可能ですし、試作品に使える加工装備も用意しています。まずはご自分のアイデアを実際に形にしてみて、問題点に気づき、改良を繰り返していただきたいと考えています」

――本事業に採択された後のコンテストについても教えてください。

「試作品をもとに、事業化を目指したコンテストを実施します。ベンチャーキャピタルや金融機関などの投資家視点で、その製品が事業として成り立つかどうか、現状のマーケットで欠けている部分を補う役割を担えるかどうかを審査します。そうして『売れるかどうか』を検証し、採択された方には最大1000万円の資金援助を行います。もちろん、事業を継続するためには決して十分な金額ではないので、投資支援を受け続けるために工夫をしていただく場でもあります」

――本事業での採択を志す人へのメッセージはありますか?

「ご自分のアイデアを形にして世に出したい、製品として多くの人に使ってもらいたいという熱意を持った方を歓迎します。技術的な未熟さが多少あっても、熱意さえあれば、本事業を活用いただくことで数々の困難を乗り越えていけると思います。東京都はもちろん、日本のものづくり産業活性化のための一翼をぜひ担っていただきたいですね」

エントリー締切は、12/16必着です。ご応募お待ちしています!

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